TOYONAKA ビジョン22
第7号 2004年4月リリース
特集 子どもと大人 〜少子化時代の小児医療と母子保健への提言〜
昨年度のビジョン22VOL.6は「子どもと大人 孤立から新しいつながりへ」をテーマに、児童虐待から子どもをめぐる問題を起点にして子どもと大人が孤立している現状や、その孤立から抜け出して新しいつながりをつくるために豊中市内外で様々な活動している状況等を紹介してきました。今回のビジョン22VOL.7は引き続き子どもと大人をテーマとしていますが、子どもの健康を支える観点から子どもと大人の関係を考えてみることにしました。
まずはじめに、子どもとは何歳までをいうのかということですが、医学的に小児科対象年齢の中学生までとしました。子どもとしての人権は認めながらも生物学的に未完成の身体であるからです。この年代の子どもたちは外見上の大人びた風貌とのギャップが著しいことから大人が、精神的及び肉体的に真剣にまもらないといけない年代と考えるからです。これは決して甘えさせることではなく、人格形成と肉体形成の両方がほぼ完成する時期まで、「子どもの権利条約」に謳われている精神で成長を支える義務が我々大人にはあると考えるからです。
そして、少子高齢化社会がニュースなどで取り上げられ、年金問題や福祉サービスなど高齢者への行政サービスは十分とは言えませんが、新しいサービス形態が生まれるなど活発な動きがあります。しかしながら、少子の部分でいえばここ最近ようやく「子育て」に対する施策が展開され始めたばかりではないでしょうか。子育ては保育の分野を超えて多方面な施策の展開が、豊中市のような核家族化が進んだ都市に必要ではないでしょうか。
そのなかでも今回は、保健と医療に焦点をあて、様々な立場の方からご意見等をいただき、子どもたちにとって、やさしいまちとはどんなまちかを考えるきっかけにしたいと思っています。それは子ども視点を忘れることなく、子どもの命をまもることを出発点に、地域の資源である各々の機関や活動が、専門・得意分野を活かし、そして十分な連携をもって子どもを育て育む豊中を目指す議論に発展することを切実に願って企画いたしました。 是非、子育て中の保護者の方、子育てを終えられ一息つかれている保護者の方、そして日夜、現場で奮闘されている関係者の方々にご一読いただきたいと考えています。子どものためのまちづくり(未来)は、まちの活性化につながると確信しています。
■特集テーマ よりやさしい子どもへの医療を目指して 兵庫県立こども病院 病院長 中村 肇 子どもの権利と医療
−いわゆる院内学級と子ども脳死臓器移植の現状と諸問題−兵庫医科大学小児科 教授 谷澤 隆邦 子育てに夢を −子どもたちに未来を− 豊中市健康づくり推進課 主任保健師 岡本 里美 地域母子保健の課題と提言−多胎児家庭への育児支援− 京都大学医学部保健学科 助教授 横山 美江 市立豊中病院NICU病棟からのメッセージ
-子どもの病気を治す力は家庭から-市立豊中病院 NICU病棟 看護師長 下辻 早苗 大学病院の地域医療への貢献
-小児救急医療における地域連携-東海大学医学部付属八王寺病院小児科 医長 王 康雄 医療社会学からみた小児医療の「危機」
-『子どもの医療が危ない』によりながら−龍谷大学社会学部 教授 黒田浩一郎 特集 現代都市 -子どもの安全と教育- 豊中市政研究所理事長 大久保昌一 子どもたちのために、ママ全力疾走
-福岡市での取り組み-潟tラウ代表取締役社長・子育て環境改善研究所理事長 濱砂 圭子 トピックス 分権改革時代の市政研究所の位置 豊中市政研究所 平尾 和 危機こそチャンス!!
−財政再建と行政改革がもたらす新しい夢-NPO法人豊中市民活動ネットきずな 事務局長
豊中市政研究所 企画運営委員 片岡竜倫分権時代の自治体オンブズマン制度を考える 四日市大学総合政策学部 教授 今川 晃 ■市政研究所の活動概要