財政問題連続講座
■日時:2000年8月23日(水)・25日(金)・29日(火) 午後6時30分〜午後8時30分
■『豊中市の家計簿を見る』
豊中市の財政問題について財政の仕組みから現状と課題まで、財政担当職員がわかりやすく説明しました。講義日程
よくわかった点、わかりにくい点、疑問点などの感想、質問、意見を求め、最終回には豊中市の家計健全化について皆さんと一緒に考えました。
講 師
- 第1回目 : 8月23日(水) 18:30〜20:30
- 第2回目 : 8月25日(金) 18:30〜20:30
- 第3回目 : 8月29日(火) 18:30〜20:30
講義内容
- 豊中市財務部 次長 前中史雄
- 豊中市財務部財政課 主幹 田中啓二
- 第1回目 一目瞭然!豊中市の家計簿 −収入、支出、借金、貯金など−
市政研究所川手事務局長の挨拶、講師紹介のあと、財政課主幹の田中啓二氏による講義。
まず、「家計簿と豊中市財政の比較モデル」のプリントを使って、H12年度の予算を家計簿の項目にたとえながら説明がありました。
次に円グラフなど図表を用いて、「国内総支出と地方財政」、「国と地方間の税源配分」、「豊中市の予算総額」、「一般会計の歳入内訳」などの説明と、豊 中市の財政の現状ということで、財政危機に陥った原因についての説明がありました。最後に地方交付税の仕組みの説明で講義は終了。
アンケートでは、「説明はわかりやすかった」という意見が大半でしたが、「財政危機に陥っていると本当に言えるのかどうか疑問。収入が下がれば支出を切 り詰めるのは当然で、食費(人件費)をはじめ、その他の諸経費を切り詰める最良の方法を考えるべき」という意見もありました。- 第2回目 豊中市の家計簿のしくみ −決定のプロセス、明細など−
前回、時間不足で積み残したところ(市債残高の推移など)を田中主幹から説明してもらったあと、財務部次長兼財政課長の前中史雄氏から、@なぜ予算は分か りにくいのか、A予算は誰がどのようにして決めているのかという視点から説明がありました。前者については「地方財政制度が専門的である」という点、公表 されている資料の種類や場所、予算説明書の表示内容の問題等「市民にとって分かりやすいシステムになっているのか」という点が説明され、改善すべき点もあ るということでした.。後者については、予算編成過程のお話や、予算をめぐる市長と議会の権限の違いなど一般にはあまり知られていないような話も聞くこと ができました。
アンケートからは、「豊中市の財政が非常に厳しいことがよくわかった」という感想や、「予算の決まる過程をもう少し詳しく知りたかった」などの意見が聞かれました。- 第3回目 豊中市の家計健全化作戦
前中次長から平成12年度の新しく始める施策や主な事業について広報4月号と、予算の概要の資料を用いて説明してもらいました。続いて田中主幹からは緊急 財政再建対策の中身についてと、事務事業評価システムの概要についての説明がありました。アンケートでは、「システムについては行政内部だけで決定してい くものではなく、多くの市民の声を反映していくべき」との意見がありました。
後半は30分しか時間が取れませんでしたが、参加者でディスカッションをしました。「財政再建で支出削減だけではなく、税収増につながる施策、産業振興策なども積極的にされてはどうか」という貴重な意見などいただきました。
最後にアンケートで全体を通しての感想をお願いしたところ、「もっと時間がほしかったです」、「内容に比べて時間が少なすぎて、急ぎすぎたのが残念でし た」など、情報量に比べて十分な説明時間が取れなかった点の指摘がありましたが、内容的には満足されていたようです。
市政研究所としても今回の講座の経験を生かし、さらに広報出版事業を充実させていきたいと考えています。