TOYONAKA ビジョン22


第4号 2001年3月リリース

特集 :危機に直面する都市財政再生へのシナリオ〜経済低成長下における自治体経営のあり方〜


   バブル崩壊後の長引く不況による税収の落ち込みや行財政構造改革の遅れなどから、全国的に自治体の財政が悪化している。国が作成した「平成12年度地方財政計画」では、9兆8673億円もの財源不足が生じると見込まれている。とりわけ比較的税収が豊かとされた大阪府、東京都、神奈川県などの府県をはじめ、大都市周辺の都市が深刻な財政危機に直面している。
 今次の不況が景気循環的なものであれば、税収もいずれ回復するかもしれないが、経済・社会状況の変化に伴う構造的な性格によるところが大きいだけに、健全で安定した財政運営を実現するためには、地方行財政の抜本的な構造改革が急務となっている。
 地方分権一括法の施行を契機に、地方財政制度の改革や事務権限配分の見直しなどが進められており、地方の自主性、自立性を高めるべく、一定の範囲において国の関与の廃止・縮小への取組みが見てとれる。例えば、法定外目的税の創設、起債の一部自由化、個人市町村民税の制限税率の廃止、機関委任事務の廃止、必置規制の見直しなどである。しかし、こうした分権改革も地方交付税や補助金の見直しを含めた税源委譲は中長期の問題として先送りされたために、危機的状況にある地方行財政の抜本的な改革にはつながらない。
 財政再建には、「計画的・効率的な行財政運営」をベースにして歳出のカット及び歳入の確保が必要であるが、具体的にはどうすればいいのだろうか。
 歳出面では、限られた財源の中、「あれか、これか」の選択をするためには、政策評価を実施、あらゆる情報を開示したうえで、市民に判断を求める必要がある。特に、今後、需要が増大する福祉分野においても事業評価が求められてくる。また、民間のノウハウを活かした事業手法、部局間の連携を通じてのサービスの向上と効率化も問われてくる。
 歳入面では、市有遊休地の売却や新税の検討も必要ではあるが、中長期的な都市経営の視点からの産業政策が地方自治体レベルでも問われてくる。
 本特集では、未曾有の財政危機に直面している都市自治体の取るべき道を、制度面、事業面から提示するとともに財政難を都市自治体のあり方を考える好機と捉え、地方分権下におけるこれからの自治体経営のあり方を具体的に提示した。


■特集テーマ

経済不況と地方財政 追手門学院大学経済学部教授 米原淳七郎

行財政改革と政策評価 大阪大学大学院国際公共政策研究科教授 跡田直澄

都市圏の自治体と地方交付税 関西大学経済学部教授 林 宏昭

郊外自治体における財政再建のための新産業創出支援戦略 大阪市立大学経済研究所助教授 小長谷一之

自治体における福祉行政運営の一手法
−英国社会サービスの業績指標を例に−
大新潟青陵大学看護福祉心理学部助手 長澤紀美子
 トピックス

都市新インフラ戦略とPFI 泉大津市松之浜駅前東地区再開発事業
−再開発ビル公益施設の運営をPFI方式で−
泉大津市都市整備部市街地整備室室長代理 大久保富夫

住民主体の総合的な在宅ケアシステムのあり方と医療費抑制効果
−宇部市退院情報連絡システム構築の経緯をとおして−
宇部市長 藤田忠夫
宇部市健康福祉部健康推進課保健婦 滝川洋子

財政のアカウンタビリティへの試み
−財政問題連続講座を通じて−
豊中市財務部財政課主幹 田中啓二
エッセイ〜豊中に想う〜

思い出ずるままに 豊中市政研究所理事 峰岸郁夫

ジモトの魅力 豊中市政研究所理事 佐藤友美子


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