豊中市における地域特性の再検討


地方分権の進展により、これまで国が掌握していた権限と責任が地方に渡されようとしている。それはとりもなおさず、地域政策における住民の有権者かつ納税者としての役割がようやく本来の機能を果たし始めることを意味しており、今後、住民が都市ビジョンを共有し、合理的に判断していくことがますます重要となってくる。
しかし、政策的な議論というのは、価値観の対立などが存在するため、意見の集約が難しい側面がある。そのうえ、各人が共通して保有できる客観的な情報がなく、おのおのが漠然とした主観的イメージのみで議論していては、有効な政策の実行はさらに困難となる。そのため、地域の現状や行財政運営に関する情報がメリット・デメリットともに住民にきちんと示されることが不可欠であり、それも単に無数の資料を開示するのではなく、必要な情報を住民が把握しやすい形で提供することが重要となる。
本稿はこのような問題意識のもと、市民への市政情報提供の一つの試みとして、市内各地域の物理的特性を統計的に抽出し、考察することを試みた。このような全体像の把握は、都市政策を考える際の基本情報として重要になってくる。具体的には、町別の人口密度や高齢者比率、近隣の各種商店数や駅までの距離、住宅形態や犯罪件数などのデータから、主成分分析という統計手法により、利便性や住・工混在度、高齢過疎度などの指標を抽出した。分析結果の詳細については、紙面の都合上、報告書をご参照いただきたい。



目  次
はじめに

T都市に関する基本概念

U豊中市の都市化の経緯
 1.明治期以降から第二次大戦までの豊中の推移
 2.第二次大戦後の豊中の発展の経緯

V都市の発展に関する経済学的考察
 1.都市化のプロセスと人口変化との関係
 2.大阪の経済基盤の変化とその影響

W豊中市内の地域構造の現状
 1.土地利用規制からみた豊中市の地域構造
 2.豊中市内の地域特性の抽出
 3.分析結果の考察

終わりに


(加藤)



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